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特別養護老人ホーム、通称「特養」は、常に介助を必要とする人に対して食事や入浴などの支援、機能訓練、療養上のお世話などをする介護施設です。介護保険法においては介護老人福祉施設に分類されます。公的施設の中でも費用が安く、24時間体制で運営しています。
特養には「広域型」「地域密着型」「地域サポート型」の3種類があり、それぞれ特徴が異なります。一般的に特養と聞いて多くの人がイメージするのは広域型で、定員が30人以上で居住地に関わらず入居できるものです。自宅近くの特養に空きがなくても、他のエリアに置かれている広域型に入居が可能です。地域密着型は原則として施設の置かれている市区町村に住んでいる人しか利用できません。定員は30人未満で比較的小規模です。地域サポート型は、在宅介護をしている人に対して施設が24時間体制で見守りなどのサービスを提供するものです。
特養の利用対象者は、基本的に65歳以上で要介護3以上の認定を受けた人です。ただし特例として入居が認められるケースもあり、40~64歳であっても特定疾病により要介護3以上の認定を受けた人も対象になります。また、要介護1~2の人でも、知的障害や精神障害、認知症、虐待などの理由によって入居が認められるケースもあります。
特養は24時間体制で入居者の介護を行っています。夜間でも居室の見回りや排せつ介助、体位交換などを行い、救急・急変時には医師や看護師の指示を仰ぎ必要なケアを実施します。特養で実施する介助業務はその施設の職員が担うことになります。情報提供や夜勤への引継ぎなどを1つの組織内で行うので、スムーズに必要なケアを提供できる点が介護施設としての大きな強みです。
特養は入居から看取りまでを行うので途中で退居する人が少なく、長期的なケアができる点がメリットです。日勤帯は看護師がいるので、安心して働ける点も魅力です。また、時間帯ごとに業務内容が分かれているケースが多いので、仕事も覚えやすいでしょう。基本的に複数の職員で対応するため、助け合いながら業務を実施できます。介護度の高い方が多いので、スキルアップしやすい点もメリットといえるでしょう。
一方、身体的な負担が大きいので体力に自信がない人は注意が必要です。入居者の数が多く、それぞれ状態が異なりケアが難しい点も考慮しておきましょう。夜勤がある点も、家庭を持つ人にとってはデメリットになります。勤務時間や業務負担の大きさについては、事前にしっかり調べておいてください。